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みなさま、こんにちは。
今日は現場変更(工事中の変更)に関してお話しさせてください。
工事業者とお客様の間で、最も認識にズレが多いのは現場変更では無いでしょうか?「実際まだ取り付けていないのなら変更出来るのでは?」と思われる方は多いかと思われますが、実はあまり変更出来ないんです…
と、認識にズレがあるように思います。
実際お客様の気持ち、とてもわかります。みなさん思いを込めてご依頼いただくお店ですので私どもも出来る限り対応したい。しかし、仕組みを内側から理解していただくとなぜ現場変更が難しいのかという理由もご理解いただけて来るかと思います。
打合せ中なら簡単なことも、工事中になると作業量が全然変わります。
- 現場連絡
- 材工金額の精算
- 発注の切り替え
- 部材のキャンセル、新規部材の発注
- 工事工程の調整
事柄一つで、このような工程が追加されていきます。ではなぜこのような工程が必要となるのか具体的な私たちの仕事をもとに下記で詳しく説明させていただきます。
設計面に関して
工事においては、実際図面をもとに現場への指示や発注が進められます。現場にて細かい部分の調整や変更を行うこともありますが、設計士は出来る限り図面に記載してあとから変更の無いように努めます。
ですので多くの情報を図面上にて検討します。たとえば、法律に関すること、お客様との打合せ内容の確認、関係業者・現場監理との調整、強度や安全性の確認など何重もの図面確認を経て施工図面が完成します。よって多くの時間が必要となります。
なので、その完成後に変更するとなるといちからいろいろな可能性を全ての面から再度検証しなおす必要があります。
工事面に関して
現場作業が始まる前から、発注と制作は進んでいっております。
図面が出来て、ご契約をいただいた段階から各関係業者とメーカー、工場などへの発注作業を行なっています。例えば、メーカー部材であったり納期が必要なものは事前に納期確認の上で工程に間に合うように余裕を見越して発注に取り掛かっていきます。
よって現場変更になると、制作に取り掛かっていた部材の取りやめなどの伝達が必要となると共に金額の調整なども必要となってきます。
メーカーなどへの発注に関してもっと詳しく説明すると、実際の指示は⚪︎月⚪︎日までに現場に納品して!程度で、いつ制作するかなどは各業者さんに委ねられており、発注を受けた直後から制作に掛かっているかもしれません。なぜそのような発注の仕方をするのかというと、別注とはいえある程度制作側に制作期間などの調整を委ねることにより少しでも制作コストを抑えていくためです。実際現場監理も納期に確認は随時行なっていきますが、細かく本日どこまで制作がすすんでいる?という確認は特別なことがない限り行なっていないかと思います。
よって現場の工事進捗だけでは変更可能かの判断はしにくいです。
現在では特に少しでもコストを抑えるため、システム化出来るものはどんどんシステム化されていき、より工事中の変更がしにくい構造になっているのです。
まとめ
現在では、図面のデータ化やクラウド化が進みとてもスムーズな伝達が出来る反面、いろいろな人が協力いただく現場では途中での変更がリスクとなり得ます。
なぜかというと現場変更の内容が反映されていない図面と反映された図面とが入り乱れ、関係者がそれぞれ違った図面をもとに施工していることとなり、とても危険な状態になる可能性があります。特にやり替えなどはどうしても品質も下がったり、またコストもかかるなどお客様にとってもリスクがあるのです。なのでまず、
現場変更が無いようにしっかり打合せをする
思い違いや仕様の確認は入念に行う
これは、私どもは勿論ですがお客様もしっかり時間をとってご確認頂くことが大切です。
私たちは出来るだけ変更の無いプロジェクト進行を心がけております、しかし常により良いお店づくりを目指していきたく考えております。今回の話は決して変更出来ないと言いたいわけでは御座いません、途中でもご要望は一度相談いただけると嬉しいです。