本文までスキップする

ブログ
Blog

絶対に知っておくべき!テナントを借りる際の基礎知識

こんにちは。代表の伊藤です。
今回は物件を借りられて内装工事をするときに耳にするA工事、B工事、C工事について少しお話出来ればと思います。
この3つの工事分類を知っておくだけで余計な工事費用を抑えたり、トラブルを事前に回避したりすることにつながります。
工事区分は施設や建物によって異なってくるので、物件を借りる際に必ず事前に確認しましょう。

 

    • テナント工事の種類を知る
    • テナント工事における3つの区分を詳しく解説
    • 特に注意が必要なのはB工事
    • さいごに

 

テナント工事の種類を知る

店舗や事務所を借りた後は、お店を出店するために内装工事や設備を整えるための工事が必要になります。工事をする場所がリース部分(占有部分)なのか、共用部分なのか、またどのような工事をするかによって工事に責任を持つ人や費用負担する人が変わってきます。

テナントを借りるときに明確にしておきたい事項
・工事に対しての責任
・工事業者の選定
・工事後の所有権
・工事費用の負担
・現状回復の内容

上記の内容が貸主と借主のどちらに責任や費用負担があるかによって、A工事、B工事、C工事と呼ばれる3つの区分に分類されます。
不要なトラブルを避けるためにも、工事区分について契約前に確認・理解しどんな工事がどちらの費用負担のもと行うのか知っておきましょう。

 

テナント工事における3つの区分を詳しく解説

□A工事 建物本体の工事(テナントとして貸すために必要な工事)

A工事とは工事の発注から業者の選定、費用の負担まで全て貸主側の責任で行う工事です。
主に建物の躯体部分や共用部・区画の切り分けに必要な工事などが該当します。
具体的には、建物の外壁や外装、エレベーター、共用部分のエアコンや照明、トイレ、区画に必要な消防設備などです。
【ポイント】
劣化部分などが出てくれば貸主に申し入れて修繕してもらう事が可能です。その場合でも工事の責任や費用負担は貸主となります。

□B工事 建物本体に関連する工事(入店する際に必要となる建物に絡む工事)

B工事とは工事の発注や業者の選定は貸主側で行うが、費用は借主が負担する工事です。
主にテナントとして入居するにあたり追加や変更が必要となる建物設備などが該当します。
具体的には、区画の電気容量の確保、防災設備工事、給排水・換気設備工事の追加増設などです。
【ポイント】
B工事では、自分で工事業者の選定が出来ないため、コスト管理が難しいです。
また、所有権は原則貸主側になる場合が多いですが退去時の撤去内容や費用負担に関しては事前に話をしておく必要があります。

□C工事 テナントとして出店するための工事

C工事とは工事の発注から工事業者の選定、費用の負担まで全て借主側の責任で行う工事です。
テナントとして出店するための工事内容となります。
具体的には、店舗内装工事、什器備品、電話工事などです。
【ポイント】
自分で工事業者の選定が出来るので、費用を抑えたりこだわりの業者を選んだりすることが出来ます。取付や交換を行った仕上げや設備に関しての所有権は借主になりますので、撤去時には現状回復が必要です。

 

特に注意が必要なのはB工事

ここまでの話を聞けばもうお分かりだと思いますが、A・B・C工事の中で一番トラブルが多いのがB工事です。問題点として、建物の重要な部分を貸主の指定業者が行うという事は一見理にかなっていることであり、致し方ないところです。しかし指定業者であるから生じる問題もあります。
特に指定業者では相見積といった形で競争原理が働きません。また、費用負担は入居者であるため貸主としても工事費用を交渉する必要がありません。そのため同じ工事を行っても割高になることが多く特に注意が必要で一番問題となりやすい部分でもあります。
また、スケジュールに関しても融通が利きにくいためオープン日が決まっていたり工事予定が決まっていたりする時は特に早めに見積もり依頼をして金額の交渉をスケジュールの調整を事前に行っておくことが必要となってきます。

 

さいごに

何事も事前確認は必要ですが、知らなければ確認のしようがありません。
今回ご紹介させていただいた工事区分も事前に分かっていればトラブルも避けることが出来ますし、なにより交渉次第ではB工事の区分であっても貸主さんに費用を負担してもらえたりと出店費用を抑えることが出来たりもします。
内容の確認や交渉に関しては、専門的な知識も必要となる場合が多くありますので依頼する設計者さんや工事業者さんを交えて行っていただくとスムーズかと思います。

最後までお読みいただき有難う御座います。
少しでもこれからお店を出店していかれる方の役に立てると幸いです。