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木材価格の高騰 なぜウッドショックは起こったのか?

皆様、こんにちは!
東京オフィスの八並です。

緊急事態宣言がやっと解除となったものの、オミクロン株なる新種の変異株が発見されましたね。
いつになれば日常の生活に戻れるのでしょう。

さて今回は少し前からニュースでも取り上げられていたウッドショックについて話をしたいと思います。

まずウッドショックとは木材価格の高騰を1970年代に起こったオイルショックになぞらえてこのように呼ばれているようです。
実際ついこの間までホームセンターで、今まで当たり前のように売られていたべニア等の合板が全く置いてなかったり、あっても購入の際に枚数制限がかけられてたりしてました。

ではなぜこのような木材の高騰が起こったかというと主に3つの原因があると言われています。

・木材の減少
もともとカナダで発生していた害虫被害に加え、コロナ禍で労働者が減り伐採が思うようにいかず、製材工場の稼働率が下がった。

・アメリカ・中国での建築ラッシュ
アメリカや中国では莫大な財政出動と住宅ローンの低金利政策が取られた結果、市民がリモートワークの為に郊外等に新しく住宅を購入するようになった。
このことにより世界的に需給バランスが大きく崩れ、十分な量の輸入材が日本に入ってこなくなった。

・コンテナ不足
コロナ禍により自宅で過ごす環境になったことからネットショッピングの利用が増え、世界的に流通が圧迫され、コンテナ不足が起きており日本に木材を運べない状況が出来上がってしまった。

今現在、日本の住宅の建築等に使われる木材の7割弱は輸入材に頼っています。
これは戦時中の森林伐採、戦後の住宅需要がひっ迫し更に伐採されたことにより国内の木材が減少した為です。
木材は植林してから市場に出るまで30年以上の時間がかかる為、海外からの輸入に頼らざるを得なかったのです。
また、国内の森林が回復する前に林業従事者の減少により国内の林業が衰退してしまったのも原因です。
今回のウッドショックをきっかけに国産材へ切り替えを進めていくべきとの意見もあるようですが、
国内林業は労働力不足、市場価格が維持できないなどの構造的な問題や国産材の性能では代替できないなど
簡単に国産材の供給を増やすことが難しいという課題を抱えています。
木が沢山生えていればいいというわけではないんですね。
今回のウッドショックは、海外依存度が高い日本のサプライチェーンの脆弱性を改めて浮き彫りにしましたが、
逆に国産材に注目が集まっている今こそ僕自身は林業復活のチャンスでもあると思います。
建築業界に身を置く者として今後の動向を注目していきたいですね。